これが労働組合だ!

皆さんは労働組合にどのようなイメージをお持ちだろうか?デモ?ストライキ?はたまた春闘?反戦平和みたいなイメージもあるかもしれない。しかし私は、今から書くようなことが労働組合を労働組合たらしめているのだと考えている。今回はメーデーで聞いてきた旬な話をしたいと思う。

 

さる51日、大阪城公園において大阪地方メーデーが行われ、私も参加してきた。壇上で主催者挨拶や来賓紹介等、お決まりの議事の後、新たに結成された労働組合の取り組み紹介がなされることとなった。出てきたのは30以上の保育園とこども園を運営する学園の保育士・教職員の労働組合と中小金属加工メーカーの労働組合だ。

 

保育士さんによる報告は目を見張るものがあった。労働組合が出来るまでは個々の職場改善の要求や賃金交渉は殆ど出来なかったのに対し、労働組合が出来てからは、幾つかの園で子どもと隔絶した休憩スペースの確保、何より2年連続の1万円を超すベアという目覚ましい成果を上げたのだ。

 

金属加工メーカーの労働組合も負けてはいない。労働組合結成前は有休を取るのに制限がかかる、有休を取ったらボーナスが減額される、年度を跨ぐと有休の一切が消滅等、不法行為がまかり通っていたという。当然のことながら社内の空気は最悪、生産性も上がらない。しかし労働組合が出来てからはまず不法行為がなくなり、2年目以降の春闘では6000円以上のベアを勝ち取ったという。最近では社内の風通しも良くなり、生産性も上がったのだそうだ。

 

会社においては労働者が権利を主張するにはどうすればいいのか。確かに労働基準監督署に駆け込むのもいいだろう。しかしそれでは不法行為の是正しか出来ず、圧倒的に力を持つ経営者に対して賃上げ等を要求することは出来ないだろう。この2つの労働組合の事例が示すものは単純だ。労働組合もないような中小企業でも、労働者がまとまれば賃上げはあるし、職場改善もあるということだ。

 

日本の労働人口の7割は中小企業の従業員だ。そしてその殆どは労働組合すら組織しておらず、経団連が旗振る賃上げによる恩恵も、大手組合中心の春闘の恩恵も受けてはいない。日本で一番、給与に伸び代がある彼らが賃上げを達成することは、日本全体のデフレを食い止め、消費活性化の一助ともなるだろう。労働組合の連合組織である『連合』も中小への取り組みを強化しつつある。デフレ脱却は意外と古典的なところに解法があるのかもしれない。