首相VS「こんな人たち」

東京都議会議員選挙が終わった。結果についてはもう散々誰もが分析済みだろうし、皆さんご承知の通りだろうから割愛する。私が取り上げたいのは、選挙期間中唯一首相が街頭演説をした秋葉原での一幕だ。首相が到着する前から猛烈な「安倍辞めろ」コール。首相が満を持して登場するとコールは更に大きく、また広がっていく。それにつられるかのように自民党側のスピーカー音量も大きくなり、遂に首相の口から「こんな人たち」という言葉が飛び出す。

 

タイトルにも書いたが、これは一見、首相と「こんな人たち」の戦いに見える。しかし本当にそうだろうか?ところで現在も急落中とは言え、内閣支持率は29%ある(ANN)。首相が自分を支持してくれている人たちの代弁者たろうとしているのであれば(そもそもそれが問題なのだが…)、国民の29%の代弁者たる首相VS「こんな人たち」(単純に不支持とすると48%)ということになるのではないか。

 

それにしても秋葉原でのやり取りはどちらも激烈だ。思えば2012年、菅元首相の街頭演説では「売国奴!」コールが湧き上がり、2015年には「安倍政治を許さない」という標語(?)が出来た。これらは全て、一寸の余地もなく他者を許さない言葉だ。そしてこれらは政治家に投げかけられているものの、背後の国民である支持者にも同時に投げかけられている。自分が応援している政治家が「売国奴!」と呼ばれて嬉しい人なんて1人もいない。

 

つまり今回の秋葉原での騒動は、首相を媒介として、国民間の分断が、都議選を舞台に、噴出した出来事とまとめることが出来よう。これは分断を煽り、解消する努力を怠った政治家にも原因があるが、根本原因は格差だと考えている。これは金の多少で分断されているという単純な問題ではない。格差を跳ね返そうとする人がその解決法を、政府を強くすることに求めるか、個人の権利を増すことに求めるかという分断に思えてならない。

 

ならば政治家としてやることは、根本的に格差を小さくしていくこと、そして対立を煽らないことの2つだ。私も政策で格差解消を訴えながら、街頭では批判に終始しない言動を心掛けたい。何を言われたとしてもやり返さぬよう。